音楽大学附属校とは?
日本の主要な音楽大学(桐朋学園大学、東京音楽大学、武蔵野音楽大学など)には、小学校や中学校から続く「附属校」が存在します。
幼いころから専門的に音楽教育を受けられるのが大きな魅力です。
しかし、2025年入学の募集要項を見ると、多くの音大で定員割れが起きており、かつての「狭き門」からは大きく様変わりしています。
今回は、私が小学校から音大附属に入り大学を卒業して、公立教員や講師、プロの演奏家、そして今専業主婦の傍ら、編曲や子供たちの教材づくりをしきた経験から思うことを、忖度なしに書いてみました。
学費はどのくらいかかる?
音大附属校や音大本体に進学する場合、気になるのは学費です。
- 年間授業料:100万~160万円程度
- レッスン費や演奏会費:数十万円単位で追加
- ピアノや弦楽器の購入・維持費:数百万になるケースも
一般的な私立大学と比べると学費は2倍以上になることも珍しくありません。
とはいえ、近年定員割れをしているので、音大附属小学校は学費が都内でも安く誰でも入れるといわれています。
ピアノ科の私のリアルな金額
私の時は小学校で色々入れてざっくり年間100万円
中学校ざっくり80万円
高校ざっくり70万円
大学ざっくり200万円
でしたが、ここに
月ピアノのホームレッスン2-3回(1回1万円(中高は5000円))
ソルフェージュ月2回(1回5000円)
大学では伴奏の学校へも行っていたので月1万円
これに
楽譜代がかかります。
音大を出た後の就職先は?
音大卒業生の進路は大きく分けて以下のようになります。
- プロの演奏家(ごく一握り)
- 音楽教室や学校での指導者
- 一般企業(音楽とは無関係な職種が多数)
実際の平均年収は、演奏活動で食べていける人はごく少なく、300万〜400万円前後で頭打ちになる人が多いと言われます。講師として活動する場合でも、個人契約やフリーランスが中心となり、安定性は高くありません。
ちなみに私はフリーランス音楽家です。
学校の音楽の正規採用が一番安定した職業ではないでしょうか。
附属から小学校に入れた場合のメリットと「現実」
小学校から附属に入った女の子の場合、「そこそこのおうち」へ嫁ぐケースも一定数あります。
つまり、演奏家として大成しなくても「音楽教育を受けてきたお嬢さん」というブランドが残るため、一定の社会的評価につながるのです。
今の時代でも、それ内のご家庭への需要は低くなったとは感じていません。
地方の名家などへ嫁ぐケースも見るので、地方では未だお育ちを重んじる家庭もあるようですよ。
東大など一般大学で「クラシック研究会」に入る選択肢
一方、東京大学や早稲田・慶應などの一般大学にもクラシック音楽を楽しむサークルや研究会があります。
もちろん専門性は音大には及びませんが、就職の安定性は圧倒的に高いのが事実です。
- 大学卒業後は大手企業や官公庁へ就職
- 趣味としてクラシックを続けながら社会人生活を送れる
- 経済的に安定した上で音楽をライフワークにできる
というメリットがあります。
知り合いに、アマチュアで楽器を続けて、最近ではアマチュアのコンクールで連続で入賞している人もいます。
プロとはやはりレベルは違いますが、それでも相当上手です。
音楽で生きていくために必要な「現実」
音楽を仕事にするには、「好きだからやる」だけでは通用しません。
クラシックやジャズ、ポップスの世界でも同じですが、需要に合わせて自分の音楽スタイルを曲げることが必要になる場面が非常に多いのです。
- コンサートや演奏依頼は、聴き手の好みに合わせることが求められる
- 自分の作品やスタイルを追求しても、収入に結びつかない場合が多い
- 生き残っている演奏家の多くは、「折り合い」をつけて活動を継続している
それでも、強い適応力やマーケティング力を持ち、ファンを獲得できた人は音楽で食べていけます。
「自分を貫く」なら覚悟が必要
逆に、「自分の音楽だけを貫きたい」という人もいます。その場合に必要になるのは経済的な基盤です。
- 演奏活動が収入に結びつくよう努力して稼ぐ
- 実家の支援を受ける
- 音楽活動を理解して応援してくれる伴侶と結婚する
このいずれかがなければ、生活と芸術の両立は難しいのが現実です。
親のサポートなしで音大は厳しい
もし子供を音大に入れたいと考えるなら、親のサポートは欠かせません。単に学費を払うだけではなく、次のような「裏の支え」も必要になります。
- 金銭的な援助(学費以外の演奏会費、楽器代、海外留学費など)
- 毎日の練習サポート(時間管理や練習環境の整備)
- よい先生を見つけ、就学させる努力
- 先生へのお礼やお布施、関係維持のための配慮
- コンクールや演奏の「ルート」を開拓してあげる力
これらを親がある程度担わなければ、子供一人で進んでいくのは極めて困難です。
逆に、「自分一人でやりたい、親には頼らない」という強い覚悟と行動力が本人にある場合のみ、音大進学が現実的な選択肢になります。
まとめ:附属に入れるべきか、一般大に進むべきか?
- 音大附属・音大進学 → 音楽のプロを目指せる環境でも、就職や収入面での不安は大きい。
- 一般大学+音楽サークル → 音楽の専門性は落ちるが、就職の安定と収入を確保しやすい。
結論としては、「音楽で食べていきたい」という強い意思がある場合は附属・音大へ。
一方、「安定した就職をしつつ趣味として音楽を続けたい」なら東大や一般大でクラシック研究会を選ぶのも賢明です。
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